「栃木市に移住するとどんなデメリットの覚悟の必要があるんだろう?」
「地方に移住してから、移住は失敗だったな…と思いたくない」
「実際に生活している人はどうしているんだろう?」
栃木市をはじめ地方移住を検討しているときに、こんなこと考えていませんか?特に、移住のメリットというのは行政サイトなどが強く発信しているので比較的情報が集まりやすいかと思いますが、デメリットというのは語られにくくなかなか情報が集まらないので気になりますよね。後悔しない移住をするためには、移住のデメリットはしっかり把握しておく必要があります。そこで今回は移住のデメリットにフォーカスして、実際に移住してから5年経過した筆者が感じるデメリットや正直な感想をわかりやすく解説します。
移住して感じたデメリット
車が必須
これはデメリットというかそういうものだと思うべき、というほうがしっくりくるかもしれません。自分も妻もペーパードライバーで不安でした。ネットで先輩移住の声を調べてみてもすぐ慣れるから心配いらないとあって「ほんとかなぁ、不安だなぁ」と思っていました。でも、毎日乗る必要があるので通勤で使う道から慣れていけば、ほんとすぐに気にならなくなりますよ。ただ車が一人一台が目安なので夫婦2台分の購入費用が中古でも重かったですね。また、都内の場合は駅周辺が栄えているイメージですが、栃木市の場合は駅周辺にはスーパーなどの買い物施設がないため電車中心の生活は難しいと思います。車は必須です。
資産としての不動産は期待できない
近年、都内のマンションの取引価格が上がり続けて大変なことになっていますね。自分も都内に住んでいた時はマンションを所有していて、駅近などの好条件物件ではなかったこともあり、移住してからも何か月かは売却できずローンの支払いに冷や冷やしていましたが、どうにか損はせずに売却ができました。5年未満で取引したため税金でかなり持っていかれましたが、新生活を始める資金になったので助かりました。不動産のメリットデメリットを一気に経験できました。
賃貸で考えられている方はあまり関係がないことかもしれませんが、栃木や地方に移住される方で持ち家を考えている方は都内と同じ感覚でいると危険です。栃木県に関して言えば32年連続で地価公示価格が下がり続けています。上がっているのは先の東京を含むいわゆる一都三県ですね。
ただそもそもの土地の価格が比較にならないくらい安いので、そこから目減りしたところでたかがしれている、というのも事実です。
僕が当初、えっ!? っと驚いたのが、宇都宮や小山であればマンションもありますが、栃木市には数えるほどしかマンションはありません。都内で転売を考えるのであればマンションが当然の選択肢なのですが、そもそもの選択肢がほぼないのです。必然的に戸建てになりますが、マンションとは比較にならないくらいリセール価格は落ちます。そこは覚悟して住宅を検討したほうがよいです。
とはいえ、マンション住まいでは子どもの足音や大声で近所の方と揉めないか冷や冷やすることもありましたが、戸建てであれば窓を閉めてさえいれば、飛び跳ねようが歌おうが基本的に問題になることはありません。そして住居も広く庭もあるので開放感が違いますよ。
テレビや雑誌で紹介されるような最先端のお店は東京が圧倒的に多い
これは需要と供給のバランスを考えれば人口の多い東京に出店したくなるのは当然ですし、移住前の方でもイメージがつきやすいと思います。確かに東京に比べれば少ないですが、オシャレなお店だったり美味しい飲食店というは栃木にもありますし、余裕のある空間などは地方ならではだと思います。住んでみるとそこまで気にならなくなってきます。子育て世代は流行よりも子連れでの利用のしやすさなどのほうが優先順位が高いということもあるかもしれません。
同じ栃木県でも宇都宮市や小山市に比べると、色んなお店のバリエーションという点では劣ります。人気のチェーン店などが宇都宮や小山にはあるけど、栃木にはないというケースは散見されます。ただそれは同時にゴミゴミしておらず都会過ぎないという栃木市の魅力につながっているところでもあると思います。
昼夜の寒暖差が大きい
東京と栃木市では最高気温・平均気温はほぼ変わらないですが、最低気温となると差が出てきます。特に冬場の夜の冷え込みは厳しく、東京より5℃程度低くなります。ただ都内と違って徒歩や自転車で移動することはほぼなく、車での移動となることが多いので外出時は意外と寒さは気にならないです。家の中の方がいる時間が長いので、住居の断熱性や暖房設備を確認しておきましょう。
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雷雨が多い
栃木県は日本でも有数の雷の多い県です。
北部が1000~2000m級の山岳部となっており、南東方向に山の斜面が開いているため、日射を強く受けます。
さらに夏季は南よりの風が吹きやすいため、強い上昇気流がおこり雷が発生します。
宇都宮の年間の雷日数は26.5日となっています。
暖候期(4月~9月)に限ってみると、宇都宮の雷日数の平年値は24.2日で、全国で一番多くなっています。
栃木県は全国的に見ても雷が多く宇都宮市は雷都とも呼ばれています。栃木市も春~夏にかけてはほぼ毎日くらいの感覚(データからするとちょっと言い過ぎ?)で夕方に雷鳴が轟き、急な夕立があります。ひどいときだと停電にもなります。たいていは一瞬~1,2分程度ですが、場所によっては長時間に及ぶこともあるようです。ただ、都内と違うのは基本車移動であり傘をさして外を歩くということがほぼないため、雨自体はそこまで気になりません。洗濯物を外に干しているお宅の場合は注意が必要ですね。ちなみにうちの場合は花粉も雨も避けるためバルコニーを無くし全て室内干しにしています。
ゴミ出しに記名が必要
都内のマンションに住んでいるとゴミ捨て場に24時間・曜日に関係なくゴミ出しが出来ることが当たり前だったりすると思います。地域にもよりますが、指定のゴミ袋もありませんでした。しかし地方では指定のゴミ袋があることが多く、出すタイミングも基本的には指定日当日の朝に出すルールがあります。そして最初にちょっと戸惑いがあったのが記名をしなければいけないことです。指定の透明なゴミ袋に入れることも心理的ハードルがありました。あまり見られたくないものなどに関しては外から見えないようにして捨てています。今となってはそこまで気にならなくなりましたが、移住前に地域のルールを確認するとよいでしょう。資源類に関してはスーパーで回収を行っているところもあります。指定ゴミ袋はサイズや種類によっても多少変わりますが、10枚100円くらいでスーパーやドラッグストアなどで販売しています。
プロパンガスだと都市ガスより高い
地方だと都市ガスがきていないエリアも多く存在します。栃木市も例外ではありません。プロパンガスは無くなる前に業者が補充してくれるので基本的にガス欠になることはなく使い勝手としては都市ガスと変わりはありません。むしろ大きな災害時に復旧が早いのはプロパンガスだと思われます。
都内にいたころは都市ガスで、栃木にきて最初に住んだアパートはプロパンガスだったのですが、請求書をみて驚きました。都内に住んでいたころの2倍程度の請求がきたのです。運搬などに人件費などのコストが余計にかかるためだと思われますが、家計には厳しいです。ランニングコストを重視するのであれば都市ガス物件をおすすめします。
虫が多い
選ぶ住宅の周りの環境にもよりますが、田んぼや畑、草むらなどがすぐ近くにあると虫が多く発生します。最初に住んだアパートは新築で綺麗だったのですが田んぼに囲まれており、夏になるとカエルが田んぼに大発生していました。外で見る分にはまだよいのですが、アパートの外壁に何匹ものカエルが張り付いていて、時たま部屋のなかに侵入してきます。だんだん慣れてきますが夜中に寝室にいたときにはさすがにびっくりしました。
また戸建ての庭でガーデニングをしたりミニ畑をつくって育てているとハチが寄ってくることがあります。うちは2年連続でアシナガバチに巣を作られてしまい、今年に至っては4~5個くらい巣を作られたのでビックリでした。ハチ駆除用のスプレーがあるので刺されないように厚着をして駆除を繰り返しました。スプレーした場所には巣を作らなくなるですが、庭にある植物目当てに近所から飛んでくるので注意が必要です。
庭の維持
広い土地の恩恵の裏返しでもありますが、何も対策を講じないと雑草がヤバいです。毎週のように草むしりをしていても夏場は追いつかなくなります。暑さと腰へダメージのくる姿勢があいまって疲労困憊します。
コンクリート敷にしたり、砂利を厚めに敷いたり、防草シートや除草剤(農薬の表示があるもののが安全です。)を組み合わせて草が生えるスペースを制限していくことが必要になってきます。
就職先の選択肢
求人はもちろんあるのですが、東京と比べてしまうと数や種類というのは限られてきます。給与面でも同一業種などの場合は多少下がるかもしれません。ただ、家賃などの住居費が安くなるので可処分所得は変わらないもしくは増えるかもしれません。僕の場合は、転職して収入が増えて住居費は安くなりました。そして人出不足の傾向が都内より強いので、業態業種にもよると思いますが年齢が高めでも採用をしてくれる可能性は都内より高い傾向にあると考えられます。
空港が不便
栃木県には空港がなく、一番近いのは茨城空港です。栃木市からだと高速で70~80分で着いて駐車料金が無料なのはありがたいのですが、国内便はスカイマークしか現状就航していません。就航先も限られているので飛行機での旅行先も限られてしまいます。
一方で高速道路の便はいいので、車で行けるところを旅行先に選ぶと楽しめますよ。
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電車が少ない
都内などに電車で移動した場合に栃木に帰ってこようとすると、乗り継ぎが悪く思ったより時間がかかることがあります。特に夜間に差し掛かってくると30分~1時間くらいは余計にかかるイメージです。
使う路線・駅によっては終電も早くなるので注意が必要です。
子どもの教育の選択肢が限られる
子どもの受験を考える人にとっては影響があることかもしれません。ただ高校生や大学生となれば栃木から都内へ一人で通うことも可能です。市からの補助金もあるくらいなので利用者は少なくないと思います。習い事のバリエーションも都内に比べるとぐっと少なくなります。塾・英語・スイミング・サッカー・ピアノなど定番モノはありますが、都内のような多様な習い事というのは難しいかもしれません。
ただ、栃木でも特色のある教育をしている学校はありますし、親や地域の人間が主体的に子どもの教育に参画し、問題解決に取り組む雰囲気もあります。これは地方ならではかもしれません。
気軽に飲みに行きにくい
主要な移動の手段が車のため、飲みに行くのが億劫になります。もちろん代行サービスを使えば安全・安心です。結果的に外より家飲みが増え、さらにいうと飲酒の習慣そのものが減りました。浮いたお金は旅行などにあてて別の形で楽しんでいます。
移住を後悔するかは、「価値観・イメトレ・リサーチ」次第
今回の記事を書くにあたって、妻にも「何か移住してデメリットだったことある?」と相談したり、これまでの生活を振り返ってみたりしたのですが、移住を後悔するようなデメリットは正直見つかりませんでした。
自分のケースが特殊なのかありふれているのかわかりませんが、移住を検討している段階で以下の3点を掘り下げていたから満足いく移住ができたのかもしれません。
- 自分たちは何を大事にして優先するのか(価値観のすり合わせ)
- どんな生活をすることを具体的に思い描いているのか(イメージトレーニング)
- 移住先には何があって何がないのか(事前のリサーチ)
このあたりは移住の7ステップで詳しく解説しているので、気になる方は読んでみてください。
https://tochifo.com/7step/
栃木市は素敵なところだと思っていますが、合わない人も当然たくさんいると思います。どんな人にでもばっちり合う移住先なんてないと思います。自分の場合はたまたま栃木市が自分たちの価値観やイメージに沿う場所でした。自分たちに合う生活は他の人が決めるのではなく、自分たちが考えて決めるもの。他の誰かと比較する必要もないはずです。思い描いた自分たちらしい生活をするのってすごく心地よいですよ。その場所がたまたま栃木市だったら、僕はとても嬉しいです。
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